現在会社更生の手続きを進めている武富士は、7月15日、更生計画案を東京地裁に提出しました。今後は、更生計画案が認可されるかどうかが注目されます。債権者には投票のための用紙が入った封筒が郵送されます。東京の期間は平成23年10月24日まで(必着)です。債権額の過半数の賛成があれば更生計画案は認可されますが、過半数に至らなければ、武富士は破産することになる可能性があります。武富士に対して過払い金債権を有する債権者は、計画に賛成するかどうか、悩むところでしょう。

武富士の会社更生手続きに関しては、申し立て代理人であった小畑弁護士が更生管財人に横滑りで就任するなど、手続きの不透明性も取り沙汰されており、同様に会社更生手続きをしたロプロのように計画が認可されるかはまだまだわかりません。

武富士は、今後、会社分割を行い、消費者金融事業はスポンサーである韓国の消費者金融業者A&P社のグループ会社である「アプロ株式会社」に承継させます。そして、武富士はTFK株式会社と商号変更し、今後は消費者金融業務は行わず、過払い債権者などの債権者への弁済業務のみを行うこととなります。

武富士に関しては、創業者の亡武井保雄元会長の次男や長男らに過払い金相当額の損害賠償を求める訴訟も提起されています。取締役だった次男らは、会社が顧客から利息制限法を超える利息を取っていることを知りながら、会社の体制や業務を改めず、役員としての義務を怠った、というような内容の訴訟です。このような内容が認められると、武富士以外の会社についても同様の内容の損害賠償請求が可能となりますが、なかなか認められにくいでしょう。

神戸の過払い


複数の金融会社から借り入れをして、返済ができなくなったり、生活が苦しくなる「多重債務」に苦しむ人が増えています。この問題の対策を検討するため、内閣に「多重債務者対策本部」が設置されています。そして対策本部では、平成19年に「多重債務問題改善プログラム」をとりまとめました。多重債務者は200 万人超と指摘し、これに対する様々な対策を打ち出しています。国、自治体及び関係団体の総合的な取り組みにより、問題を解決しようとするものです。

具体的には、相談窓口の整備・強化があげられます。地方自治体には、生活保護の担当部署や消費者センターなど、借金に関連する相談が数多くされています。これに対して、弁護士や司法書士等適切な専門家にスムーズに橋渡しをすることが重要となります。

また、改正貸金業法の総量規制により、借金ができなくなる人が増えたときに、消費者向けのセーフティネット貸付け、たとえば社会福祉協議会による生活福祉資金貸付のような、公的な貸付を充実させるということも必要です。多重債務問題の解決に役に立つ場合に限って、低い金利での貸し付けを行うということも、生活再建の役に立ちます。

さらに、借入ができなくなる人が増えたときに、普通の消費者金融から借入ができないからということで、ヤミ金から借入をするようなことが増えては本末転倒です。これを防ぐためにも、警察や監督当局は、ヤミ金の撲滅に向けて取締り、摘発を強化します。以前であれば、民事不介入という原則により、警察はヤミ金問題への介入に消極的でした。これを改め、被害相談を受けた警察は、電話等によるヤミ金への警告等を積極的に行うということになりました。

このようなプログラムに基づく対策が充実される一方、貸金業者は総量規制と過払い金返還の増加により、経営破綻する例もあります。当初、現在のような貸金業者の窮状は予測されていなかったと思われます。

利息制限法で計算しなおすと?
グレーゾーン金利と法定上限金利による引き直し計算についての司法書士による解説ページ。