武富士の過払いについて

平成22年10月31日に開始決定がされ、法的整理手続きのひとつである、会社更生の手続きを進めていた武富士ですが、平成23年10月31日、更生計画が東京地方裁判所において認可されました。更生計画案の可決要件は、債権の内容により異なりますが、過払い金債権者に関しては、議決権総額の2分の1を超える同意が必要でした。これを超える同意が得られたために、認可決定がされたということです。破産手続きへの移行のおそれもあったためか、結局、80%以上の同意となったようです。

更生計画に基づく過払い金の返還は、当初平成23年12月ごろから開始されるという予定でしたが、下記のようなスポンサー変更などもあり、結局平成24年1月ごろから開始されました。更生計画に反対票を投じた人にも、賛成票を投じた人にも、特に区別なく支払いが開始したようです。

武富士の会社更生手続きは当初、韓国の消費者金融業者A&P Financial Co.Ltdをスポンサーとするという前提で進んでいたのですが、平成23年12月、スポンサーがA&P社からJトラスト株式会社に変更されました。その理由は、A&P社が分割対価の払い込みをしなかったためです。そして、平成24年年3月1日、会社分割により、武富士の消費者金融事業は、上記Jトラスト傘下の株式会社ロプロ(旧日栄)に承継されました。そして、武富士の商号はTFK株式会社に変更されました。

そして、平成24年3月22日付日経新聞によると、スポンサーのJトラストは、「武富士」のブランドを継承して貸付業務を再開しました。当初は、新規貸付は行わず、「武富士」のブランドは廃止する方向で検討しているとしていましたが、方針を転換したようです。

現在会社更生の手続きを進めている武富士は、7月15日、更生計画案を東京地裁に提出しました。今後は、更生計画案が認可されるかどうかが注目されます。債権者には投票のための用紙が入った封筒が郵送されます。東京の期間は平成23年10月24日まで(必着)です。債権額の過半数の賛成があれば更生計画案は認可されますが、過半数に至らなければ、武富士は破産することになる可能性があります。武富士に対して過払い金債権を有する債権者は、計画に賛成するかどうか、悩むところでしょう。

武富士の会社更生手続きに関しては、申し立て代理人であった小畑弁護士が更生管財人に横滑りで就任するなど、手続きの不透明性も取り沙汰されており、同様に会社更生手続きをしたロプロのように計画が認可されるかはまだまだわかりません。

武富士は、今後、会社分割を行い、消費者金融事業はスポンサーである韓国の消費者金融業者A&P社のグループ会社である「アプロ株式会社」に承継させます。そして、武富士はTFK株式会社と商号変更し、今後は消費者金融業務は行わず、過払い債権者などの債権者への弁済業務のみを行うこととなります。

武富士に関しては、創業者の亡武井保雄元会長の次男や長男らに過払い金相当額の損害賠償を求める訴訟も提起されています。取締役だった次男らは、会社が顧客から利息制限法を超える利息を取っていることを知りながら、会社の体制や業務を改めず、役員としての義務を怠った、というような内容の訴訟です。このような内容が認められると、武富士以外の会社についても同様の内容の損害賠償請求が可能となりますが、なかなか認められにくいでしょう。
更生会社TFK株式会社(旧武富士)