2010年11月アーカイブ

取引に中断がある場合の最高裁平20年1月18日判決では、下記の通り述べています。

少し要約しています。
「継続的に貸付けと返済が繰り返されることを予定した基本契約1が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務の各弁済金のうち制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが,過払金が発生することとなった弁済がされた時点においては両者の間に他の債務が存在せず,その後に,両者の間で改めて基本契約2が締結され,この基本契約に基づく取引に係る債務が発生した場合には,第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り,第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は,第2の基本契約に基づく取引に係る債務には充当されない」

つまり、第1取引完済時に発生した過払い金は、当然に第2取引の過払い金に充当とはならず、特段の事情というものがある場合だけに充当するということです。では、その「特段の事情」とはどのようなものかというと、

「第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が反復継続して行われた期間の長さや、これに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間,第1の基本契約についての契約書の返還の有無,借入れ等に際し使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続の有無,第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況,第2の基本契約が締結されるに至る経緯,第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等の事情を考慮して,第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず,第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には,上記合意が存在するものと解するのが相当である」

上記に列挙されたような事情を考慮して、第1取引と第2取引が事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には、第1取引完済時に発生した過払い金は、第2取引の過払い金に充当するということです。

過払い金の計算方法

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利息制限法の上限金利を超えた、いわゆるグレーゾーン金利で長期間取引をしていると、払い過ぎたお金、過払い金が発生していることがあります。

過払い金がいくらぐらいあるかを計算するには、取引の履歴が必要です。取引の履歴を計算ソフトに打ち込んで、利息制限法の上限金利に引き直す計算をすると、過払い金が計算されます(計算ソフトがなくても、計算することは可能ですが、非常に面倒です)。

このとき、問題になるのが、取引が途中で中断しているような場合の計算方法です。
いったん完済して、また半年後に借入をしているというようなことは、よくあることですが、この場合の計算方法をどのようにするかによって、過払い金の金額が大きく変わってきます。

たとえば、平成5年から平成10年まで取引を継続して一旦完済し、また平成11年に取引を再開して平成22年まで取引を継続した場合を考えてみましょう。平成5年から平成10年までの取引を第1取引、平成11年から平成22年まで取引の取引を第2取引とします。

このとき、第1取引と第2取引を別の別の取引と考えれば、第1取引が終了したときに発生している過払い金は、平成22年の段階では、発生から10年以上経過しているため、時効になっており、請求できないということになります。
これに対して、第1取引と第2取引をひとつの契約に基づく一体の取引と考えれば、第1取引が終了したときに発生している過払い金は、第2取引の貸付金に順次充当されていくことになり、時効にはかからないということになります。

過払い金に関する裁判で、非常に長期化するのは、このような争点で争っているときです。

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